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岡安 悟; 西尾 太一郎; 小野 正雄; 真下 茂; 田中 靖資*; 伊豫 彰*
Physica C, 445-448, p.245 - 248, 2006/10
被引用回数:1 パーセンタイル:6.63(Physics, Applied)超伝導転移温度以下の領域でタリウム系1223超伝導体薄膜の磁束量子観察を走査型SQUID顕微鏡を用いて行った。磁束量子の配列は転移温度以下でほとんど変わらず、このことは試料中にきわめて強いピン止め中心が存在していることを示している。この強いピン止め中心は試料表面の不均質に起因する。
町田 昌彦; 小山 富男*; 大橋 洋士*
Physica C, 445-448, p.194 - 197, 2006/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)超伝導体を応用に供する場合、超伝導体は輸送電流や自らが作る誘導磁場等の電磁場にさらされるが、侵入する磁場は量子化され量子渦糸を形成することから、その渦糸を第一原理(微視的)的モデルから理解することが望まれている。この背景下、発表者は超伝導を起こすために必要な電子間相互作用が強い強結合超伝導から相互作用が弱い弱結合超伝導までを統一的に理解できるモデルを構築し、そのモデルを数値計算して渦糸構造の特徴を明らかにする。
町田 昌彦; 山田 進; 大橋 洋士*; 松本 秀樹*
Physica C, 445-448, p.90 - 93, 2006/10
被引用回数:2 パーセンタイル:12.56(Physics, Applied)現在、原子ガスをレーザー照射により作られた光学格子上にロードし、固体内の電子系を模擬する研究が盛んに行われている。これは、固体の場合、一度、結晶を作成すると、その構造や電子間相互作用等を変化させることは極めて困難であり、物質の性質を系統的に研究することができない一方、光学格子上の原子ガスの場合は、レーザーをチューニングすることで、さまざまな固体環境を容易に作り出すことができるからである。本研究では、この光学格子上の原子ガスをシミュレーションし、中心に閉じ込めポテンシャルをおいた場合に得られる超流動ペアリング(超流動転移するためには、フェルミ粒子系の場合、ペアを形成する必要がある)の可能性を調べた。その結果、閉じ込めポテンシャルにより、粒子が中心に集まり、相互作用を強くすることでフラットな粒子分布を示すが、その際に粒子集団の両端間でペアリングが形成されることがわかった。粒子がペアリングを示す場合の粒子分布には、高温超伝導体が示すストライプ状態と共通の部分があり、上記の結果は高温超伝導のメカニズムと何らかの関係があると考えられる。
脇本 秀一
no journal, ,
過剰にホールを導入した高温超伝導体LaSrCuO ()について中性子散乱により磁気励起を調べた。の試料では格子非整合な磁気励起が観測され、それらのスペクトルは6meV付近に極大を持ち、スピンギャップは観測されなかった。興味深いことに、ドープ量の増加に対し、6meV付近の動的帯磁率の極大値はに比例して減少し、超伝導を示さないの試料では磁気励起が観測されなかった。これは超伝導と低エネルギー磁気励起が深く関係していることを示している。さらに、磁化測定の結果から、過剰ドープ領域では、新たに発現する常磁性的局在モーメントとの競合の結果、超伝導が減衰していくことが明らかとなった。これらの結果に加え、最近行った高エネルギー磁気励起の測定から、過剰ドープ試料では低エネルギーだけでなく、高エネルギーにおいても磁気散乱が弱まっていることがわかった。本発表ではこれらの事実をSRの結果などから提唱された過剰ドープ領域における電荷の相分離の観点から検証する。